ピオーネ房切り講習会2010年 1〜4月 5月 6月 7月)  2009年  2008年  2007年  2006年   2005年 歴史

 

JA安心院町ブドウ部会 

 

この時期の管理は、ピオーネ栽培にとって一番重要なので、確実にポイントを押さえましょう。
また、早めの病害虫防除を心がけましょう。

 

1 花穂管理

(1)        摘穂

開花期までに伸長が止まるような弱い枝は空枝とし、中庸なものは開花期までに、1新梢1花穂とする。強い新梢では、2花穂残しても良い。
花穂数を早めに制限することで残った花穂の生育が良好となる。作業効率も向上する。

(2)        花穂の整形

@   花穂の整形は、花穂が完全に伸びきった開花3日前〜開花初めに行い、先端部を3.5cm残して、他の支梗を全部切除する。
  また、花穂の先端葉切らない。(3.5cmを基本とすること。)副穂や、上部の大きい支梗は早めに除去しても良い。

     A 早めに花穂の整形を行う場合は、開花までに穂軸がかなり伸びるので、残す長さも さらに短くする。

   

B   花穂最上部は、支梗ができるだけ車座になっている場所を選ぶ

 

2 摘 芯

  開花前(セット時)に 第2花穂先8葉を残して摘芯する。(残す先端の葉の大きさの目安は500円玉より大きいこと)
  弱い摘芯は着粒数が不足する場合あり。

  ・長梢栽培では副梢は2枚残して摘芯する。
  ・短梢栽培の副梢整理は整房のころ1葉残して摘芯する(500円玉大)

 短梢栽培での捻枝
  開花開始期に結果枝を副線位置で捻枝する。(「副線」とは結果枝を支える針金のことで母枝から60pくらいのところに張っている物。)

  午前中は処理しない。→ 枝が折れやすい → 晴天時の午後実施

  第一回目GA処理後、副線から先の各節を捻枝する。

※いずれの処理も副梢の発生抑制と果粒肥大の促進につながります。

 

3 ジベレリン処理

一回目  時 期 :花穂中のすべての花が咲き終わった日から3日後までに行う。

       濃 度 :ジベレリン25ppm+フルメット5ppm(水2gにジベレリン50mg、フルメット10mg

   注意点 @ 処理が早いと穂軸の湾曲、小粒果が発生し、処理が遅いと着粒不足。  有核果が発生する。
          重複処理は穂軸の湾曲、果粒肥大の遅れにつながる。

(ア)  灰色カビ病の予防のため、花冠をふるい落としてから処理する。

(イ)   有核果粒の発生が懸念される場合(処理が遅れる場合)
   マイシン剤1000倍を満開5日前(はしり花の頃)に散布 (灰色カビ病予防のためロブラール1500倍混用)

2回目  時 期 :1回目処理後1015日後(満開後15日ごろ)

      濃 度 :ジベレリン20ppm

注意点  @ 処理時期が遅れると顆粒肥大や果粉着生が劣る。 
       A 顆粒に付着した余分な薬液を軽くふるい落とす。

 

4 摘 房

@    第一回GA処理5日〜第二回GA処理直前に着粒が明らかに不足する果房や奇形果房を摘房する。

A    第二回ジベレリン処理7〜10日後に、果房軸が太くて着粒と果粒肥大の良い果房を残し
   目標果房数の1020%増しを目安に摘房を行う。
   その後、袋掛け前までに果粒肥大が不良な果房を中心に摘房し、目標着房数に仕上げる。

B   本摘房終了後〜袋掛け前(果粒軟化期)に果粒肥大が不良な果房を中心に摘房し目標着房数に仕上げる。

  第二回ジベレリン処理の頃、副梢は早めに2葉で摘芯する。(自然に伸長停止するものはそのままでも良い。)

 

5 果房整形と摘粒

(1)          第二回ジベレリン処理前から処理直後の時期に、軸長が56cm(8車程度)になるように上段の支梗あるいは房尻を切り詰める。
    上段の支梗を切る場合は、肩部の巻きこみを考えて、段差が少なく、着粒数の多い部分まで切り下げる。
    房尻を切る場合は 尻部の巻き込みを考えて切り詰める。

(2)          摘粒葉(1)の作業と同時進行で行い、小粒果、飛び出した顆粒、形の悪い顆粒、内向きの顆粒を中心に間引く。
    肩部の2〜3段は巻きこみを促すために上向き顆粒と水平向き顆粒を5粒以上残し、胴部は水平向きの顆粒を3粒程度残す。
    尻部は巻きこみを考えてバランス良く残し、密着した果房を作るように心掛ける。

6 晩腐病対策

    ピオーネの場合、晩腐病の発生が心配されます。このため、薬剤防除を徹底してください。晩腐病に有効な薬剤は以下のとおりです。

     開花直前 ・・・・・・フロンサイドSC 2000倍

     開花終了直後(1回ジべ処理後)・・・アミスター10フロアブル1000倍

     小豆粒期(2回ジべ処理後)・・・オーソサイド水和剤  800倍

 

7 灌水

(1)        第一回ジベレリン処理後から20日間が果実の初期肥大のポイントとなるので、この間は2〜3日置きに20mmほど灌水する。

(2)        第二回ジベレリン処理後、3週間までと水廻り期までの灌水は顆粒肥大に大きく影響するので、充分に行う。(710日間隔で30mm)



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